不動産業界におけるワンルーム神話の崩壊
生きてきて日本の人口ピラミッドを一度も見たことがない人はいないと思います。
詳しくは知らなくても、現在は逆ピラミッドを形成しており、老人(非生産人口)が増加し続けており、将来には3人で1人の老人、2人で1人の老人の生活を支えていかなければならない・・・なんて話を一度は聞いたことがあるはずです。
約70年前にはキレイなピラミッド型をしていたので、順調に経済が成長してきたことは周知の事実でしょう。
人口構成比の変化は、経済の在り方を根底から覆してしまうので、生き方やビジネスのやり方を適応させていかなければならないことは明らかです。
そんな現状を考えると、不動産業界に懸念材料があります。
それは
東京都内でワンルームの建設が進んでいること
です。
ワンルームは基本的に単身会社員に向けて作られる間取りです。
しかし人口構成を考えれば、今後この層の需要が日本で伸びるとは考えにくい状況です。
それでも建設が伸びているのは、計画自体が数年前に練られたものなので、今さらストップさせようがないという大人の事情があるのかもしれません。
結果的にワンルームの供給が過多になっています。
すると不動産業界はどうなっていくでしょうか。
ワンルームを抱えてしまった業者は、積極的にワンルームを販売せざるを得なくなります。
いわゆる不良在庫の消化を優先します。
実際に購入した人へのメリットなんて関係ありません。
とにかく不良在庫の消化へと走るのが世の常です。
その結果、そもそも売れない(儲からない)商品を購入させられた一般人や中小零細企業の末路は火を見るよりも明らかです。
そんな状況を、先日お会いした渋谷区で賃貸管理会社を30年近くやっている社長の言葉が示していました。
「提携している賃貸屋さんが5年前は、繁忙期に店の前に30mもの行列ができていた。しかし、現在は繁忙期でもまったく並ばなくなった。理由は(不動産業界における)ワンルームの供給過多による需要の減少ですね。」
人口ピラミッドを見てもわかるように、高齢者の面倒は老人養護施設に委託したり、仕事のある都心で大きめのマンションを購入し、親も同居させる傾向が出始めています。
つまり単身でワンルームに住む需要が伸びることはありません。
これから不動産を購入し資産を活用していくには市場を理解しておかなければなりません。
それは決してキャピタルゲインのような投資方法を選択しなくても同様です。
住まいとは人が住んで初めて需要を生みます。
住む人がいないところに家は不要です。
いくら地域おこしが活発とはいえ、大きな需要が田舎の物件に訪れることはありません。
大学などの施設があれば問題ないと言っている会社もありますが、大学自体も集客に必死で経営は芳しくないところが大半です。
これらの問題はさらに突き詰めて考えていくと「日本」という市場はどうなのか・・・という問題にも行き着く死活問題の話になります。
とはいえ突然、海外に手を出した人は間違いなく火傷することになるので、現在の日本において的確に需要を捉え、日本や会社にどんな問題が起きても対処できるように着実に準備しておくことが大切です。
これから都心部における、やや大きめのマンションを購入して行く方が需要が増えてきそうですね。
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